2015年7月12日日曜日

言葉は変わっていく。「該当」の読みは「がいとう」です。

今日、中学生の期末試験(英語)の答え合わせをした。

4択の選択肢のなかに「該当なし」という項目があった。生徒が「かくとうなし」と読んだので「がいとうなし、でしょ」というと、「え? 『かくとう』です」と言いはる。おまけに、「世代の違い」だとも。すぐに辞書を引く子なのに、そうしないところを見ると学校ではこの読みがまかり通っているらしい。

確かに、セミナーなどに出席したときに講師が「該当」を「かくとう」と読むのを何度か聞いたことがある。今のところは「かくとう」では漢字変換されず、大辞林等の辞書の読みも「がいとう」しかない。この読みは間違いのはずだ。

とはいえ、本来の読みが置き去りにされ、慣用読みが定着しているものはいくつもある。輸入(ゆにゅう)、捏造(ねつぞう)、漏洩(ろうえい)、間髪を入れず(かんぱつをいれず)、消耗(しょうもう)、新しい(あたらしい)、独擅場(どくだんじょう)、情緒(じょうちょ)、蛇足(だそく)、固執(こしつ)等々。

「かくとう」と言いきる自信には拍手を送るが、今のところ、「かくとう」という読みは慣用読みには該当しないようだ。それでも、いつかそういう日が来るかもしれない。
「言葉は多数決で決まる」---井上ひさしの言葉が耳に残る。



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